高齢者は特に気を付けたい大腿骨の骨折

増える大腿骨骨折

高齢者にもっとも起こりやすい!

大腿骨とは、いわば太もも部分の骨を指します。当然この部位が骨折すると歩行が困難になり、高齢者にとっては厄介な骨折の一つです。また、大腿骨の骨折は主に足の付け根付近で発生します。大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折など、足を動かす特に大切な箇所が折れてしまうため歩くことすら難しくなるのです。この骨折自体は若者にも起こり得るものですが、特に高齢者に起こりやすく寝たきりの原因になったりと普段から予防しなければなりません。

高齢者の女性は特に注意を!

そんな大腿骨骨折ですが、高齢化が進むにつれて徐々に患者数も増えています。男性よりも筋力の少ない女性に多いとされており、高齢者の女性は特に注意しなければなりません。また、転びやすくなることも原因の一つです。筋力の衰えによる転倒、視界が悪くなることで不意に転んだりと、足腰が弱るにつれて徐々に大腿骨骨折の危険性は高まるのです。スッと足を上げれば通れそうな段差でも、高齢者の場合思うように足が上がらず躓く可能性もあります。稀なケースではありますが、骨の強度によっては寝返りを打つことで骨折したりと、どこで骨折するかわかりません。

骨粗鬆症との関係

骨粗鬆症になりやすい現代人の習慣も、大腿骨骨折の危険性に拍車をかけています。骨粗鬆症とは、本来再生するべき体の骨がなかなか形成されず、骨内部がスカスカになってしまう状態です。スカスカな分強度が下がってしまい、骨折のリスクが高まります。また、この骨粗鬆症を発症している人の割合は50代を超えた辺りから一気に高まり、特に女性の場合は女性ホルモンの減少もあって急激にリスクが高まります。そのため、若い頃と全く同じとまではいかなくても、50代60代から骨のケアを毎日の生活の中で進める必要があるのです。

大腿骨骨折の予防方法や治療方法

骨密度の減少

まずは、スカスカになりがちな骨密度を改善しなければなりません。骨密度の減少は加齢による致し方のない部分もあれば、生活習慣の見直しで改善する部分もあります。例えば、飲酒喫煙は典型的な大腿骨骨折発症のリスクを高める原因となります。また、高齢者になると退職したり老後の生活について考えたりと、何かとストレスが発生しがちです。そんなストレスも骨量減少に影響するので、改善していかなければなりません。ウォーキングなどの運動はストレス解消と骨密度改善の両方を並行できるので、実践したい所です。

バランス感覚を養う

次に、転倒しない体作りに取り組まなければなりません。闇雲に運動を始めるよりは、バランス感覚を養える運動を始めてみましょう。片足立ちなどバランス感覚を養う運動を取り入れることで、何もない所での転倒を予防できます。自宅でもできる運動が多いので、生活に取り入れやすいことも利点の一つです。また、自宅に手すりを付けるなど転ばない環境作りにも取り組みましょう。階段移動を極力しなくても良い生活スタイルにしたり、転倒の原因を少しずつ排除していくことが大切です。

治療は手術が主

大腿骨骨折が発症した場合、手術による治療が主な選択になります。治療が早ければ早いほど回復も早くなるので、治療は早めに済ませて完治後の筋力回復に備えましょう。手術方法はスクリューで固定する方法や、人工骨頭置換術などがあります。また、骨粗鬆症の治療も視野に入れておきましょう。骨粗鬆症を発症している場合、例え今回完治してももう片方の足が骨折する可能性もあります。何度もベッドの上で治療を続けていては気も滅入ってしまうので、日常生活におけるリスクを下げることが大切です。

大腿骨骨折で怖い寝たきりの危険性

寝たきりになる危険性がとても高い!

大腿骨骨折は単に歩けなくなるリスクだけでなく、そのまま寝たきりになる危険性も無視できません。高齢者が大腿骨骨折を発症させると、数週間治療のためにベッドの上で過ごすだけでも筋力がどんどん衰えていきます。治療後自分の足で立とうとして、まるで自分の足ではないかのように動かないケースもあるでしょう。そうなると、しばらく横になって過ごしていたこともあり寝たきり状態を加速させかねません。また、常に寝たきり状態になることでうつになり、身も心もボロボロになるリスクすらあるのです。多くの病院では、そうならないよう大腿骨骨折をするとなるべく早めに社会復帰できるよう取り組んでいます。

早期のリハビリが大切

筋力低下から回復するためにも、リハビリテーションの実施は欠かせません。最初は大腿骨骨折による痛みへの不安で上手く体を動かせない方も多く、それが余計に筋力低下を加速させます。そのため、ストレッチングもリハビリの一つとして実施されています。また、座位で行える運動もあるので、症状が緩和してきたら徐々にそちらへ移行します。無理なリハビリをして体を動かすことに恐怖心を抱いてはいけないので、医師や看護師と相談しながら症状の回復に努めましょう。回復には本人の意志も欠かせないので、一刻も早く社会復帰できるよう治療に臨めるよう、周囲も配慮する必要があります。家族が無理やり運動させようとして外出に抵抗感を覚えるのは避けたい所です。