認知症の人との関わり方とは?
イライラしても怒ってはいけない
認知症の人と接するときには傷つけられることがあっても怒ったりせずに、穏やかな口調で話し掛けることが大切です。嫌なことをされてついつい言葉を荒げてしまうことがありますが、認知症の人を怒ってしまうと嫌な思い出だけが残ってしまうことがあります。認知症は知的機能は衰えてしまっても、感情を司る機能は衰えることは少ないです。悪いことをしたとしても何が悪いのか分かってくれませんが、怒られていることは認知症になっていても分かるのです。叱ると心のどこかに不快感が残ってしまい、認知症の人はどうしたら良いのか分からなくなってしまうのです。怒られた経験が何度も繰り返されると徘徊などの異常行動が悪化したり、被害妄想などが起こったりするので注意します。イライラすることがあっても感情的にならず、なだめるように言い聞かせることがポイントです。
寂しい思いにさせない
認知症の人にあまり関わりたくないと無視をしたり、ストレスになってしまうような行動は避けます。誰かに無視されると嫌な気持ちになることがありますし、孤独を感じてしまいます。それがストレスになって大声を出してしまったり、誰かを傷つけるような行動に繋がることもあるので放置したりせずに温かく見守ります。必要以上に関わりを持つ必要はありませんが、寂しい気持ちにさせないように接してあげることが大事です。
相手の気持ちを想像する
認知症になった人の立場になって物事を考えたり、相手の気持ちを想像して接することも重要です。認知症の人が理解出来ないような行動や相手を傷つけるような言葉を使うときには、大きな不満やストレスを感じていることが多いです。その不安な気持ちを誰かに理解してほしい、誰かに聞いてほしいという気持ちが高まって、通常では考えられない言動に繋がります。まずはその気持ちを理解して、出来るだけ取り除けるように努力します。不安になってしまった原因はないか、最近本人の周りで起こった変化なども考えて不安の種を探してあげるのです。そして不安な気持ちになってしまったことは否定したりせずに、その気持ちだけでも受け入れるようにするのです。誰かが自分の気持ちを理解してくれただけでも、本人にとっては大きな安心感になります。
環境変化はストレスになる
進行を遅らせてあげたい、何とかして認知症を治したいからといって無理にリハビリをしたり、本人の気持ちを無視して病院を変えたりするのは危険な場合があります。リハビリ施設に通うことでストレスになってしまったり、転院して急激に自分の取り巻く環境が変わると不安を覚えるので、本人のペースに合わせて治療やリハビリを進めます。認知症の人がのびのびと過ごせる環境が一番なので、本人が嫌がっていたら無理強いはさせないことです。
ポジティブな感情を表に出そう
認知症の人は不快な思いをしたことやストレスに感じたこと、嫌な思い出を心のどこかで覚えていますが、嬉しかった気持ちや楽しい気持ちも心のどこかで覚えていることがあります。誰かに褒められたり、感謝されたりして嬉しい気持ちになると安心感を覚え、自分自身を認められたと感じられます。認知症の人の行動で素晴らしいと感じたことは素直に褒めて、何かをしてくれたらきちんとお礼の言葉を述べるなどポジティブな感情は積極的に表に出して伝えます。相手も褒められたりお礼を言われれば嫌な気持ちにはなりませんし、気持ちも前向きになるのです。会話をするときには相手の目を見て、適度に相槌も打ちます。あなたの気持ちを理解していることや、きちんと話しを聞いていることをアピールします。
こんなときはどうすれば良いのか?
同じ話の繰り返しの時
認知症の人に多く見られる症状の一つに、何度も同じ話を繰り返すことが挙げられます。以前に話したことを何度も繰り返してしまうのは、話したことを忘れているからです。話をしたこと自体を覚えていなので、本人に悪気はありません。そんなときはなるべく話を聞いてあげたり、どうしても聞き続けることが難しいときには違う話をして気をそらすようにします。話の途中で質問をしてみたり、違ったアプローチをして話を変えることも有効です。また何度もご飯を食べたのか聞かれた場合は頭ごなしに叱ったりせず、ご飯がまだなら支度していることを、食べた後ならおやつや飲み物を渡して気持ちを落ち着かせてあげると効果的です。
被害妄想がある時
物を盗られたという被害妄想があるときには、無くなったと主張しているものを一緒に探したり、その物がある場所まで誘導してあげます。物が無くなったというのは誰かにサポートしてほしい気持ちと、誰にも頼りたくないという正反対の揺れ動く気持ちがあることで起こります。さらに人の名前が分からなくなったり、お世話をしている人間を忘れてしまったときには、一旦距離を置きます。以前にその人と接して嫌な気持ちになったり、怒られてしまった経験からその人を忘れて自分を守ろうとしているのです。ですからなぜ分からないのかと攻めたりせず、記憶が戻るまで冷静に見守ることで思い出してくれることもあるのです。